
11月15日は「七五三(しちごさん)」。
子どもの成長を祝う日本の伝統行事として知られているが、
その由来や意味、そして「何をする日なのか」までを
正確に答えられる人は意外と少ない。
本来、七五三とは――
3歳で髪を伸ばす「髪置(かみおき)」、
5歳で初めて袴を着る「袴着(はかまぎ)」、
7歳で帯を結ぶ「帯解(おびとき)」――
この3つの儀式をまとめて祝う行事だ。
平安時代から続くこの風習は、もともと「子どもが無事に成長したことを感謝する日」だった。
当時は、7歳まで生きることが難しかった時代。
つまり七五三の「お祝い」とは、“生き延びた証”でもあった。
七五三の読み方と、現代での「何をする日」
「七五三(しちごさん)」は、そのまま「しち・ご・さん」と読む。
現代では11月15日を中心に、週末に神社でお参りをする家庭が多い。
晴れ着を着て写真を撮り、千歳飴をもらう――それが定番の流れだ。
千歳飴には「長く、細く、幸せが続きますように」という意味が込められている。
それはまるで、現場で働く俺たちの安全祈願のようなものでもある。
毎日を“無事に帰る”ことを当たり前と思っているけれど、
本当は、それ自体が「お祝い」してもいいくらいの奇跡なのかもしれない。
現場の「七五三」は、資格よりも“続けてきたこと”を祝う
現場にも節目はある。
入社3年、5年、7年――数字だけ見ればただの経過年数だけど、
その裏には、ケガせず続けてきた努力がある。
七五三が“成長の報告”なら、
現場で言えば「無事故報告」や「技能認定」も同じような節目だ。
本来の七五三は、親が子に「ここまで無事でありがとう」と伝える日。
ならば俺たち大人も、自分に「ここまでようやった」と言っていい。
それが“現場版七五三”だ。
七五三のお祝い金の意味を、大人流に置き換える
子どもに渡す「七五三のお祝い金」の相場は、
祖父母から1万円~3万円、親戚から5千円前後が一般的。
けれど大人になって思うのは、
“お金をもらうこと”よりも“自分に何を贈るか”のほうが大事だということだ。
新しい工具、長く使える手袋、
ちょっと良い作業靴でもいい。
自分をねぎらう“ご褒美投資”こそ、
現場で生きる人間の「お祝い金」だ。
七五三の由来が教えてくれる、“生き延びる”という価値
七五三の由来には「節目を大切にする」日本的な知恵が詰まっている。
昔の人は「生き延びること=祝い事」だった。
現場も同じ。
危険な作業や長時間労働の中で、
今日も無事に帰れたなら、それだけで立派な“祝い”になる。
仕事の節目に道具を新調したり、
仲間と「おつかれ」と言い合う――
それは小さな七五三のようなものだ。
現場にも「七五三」の心を
11月15日。
七五三で神社に向かう子どもたちを見かけたら、
自分の中にも“節目”を見つけてほしい。
仕事を辞めずに続けていること。
無事に帰ること。
怪我せず笑えること。
それらは全部、大人の七五三だ。
誰も祝ってくれなくても、自分で祝えばいい。
それが、“現場で生きる大人の七五三”の意味だと思う。


