パワハラ上司が変わるために必要なのは、己の忍耐力である

■ はじめに

職場には、怒鳴る、威圧する、感情で叱責する“パワハラ気質”の上司がいる。
しかし中には、ある日を境に「変わろう」と努力し始める人もいる。

ただし、その瞬間からが本当の試練だ。

上司は変わったつもりでも、
部下の警戒や白い目はすぐには消えない。
むしろ、半年以上続くのが普通だ。

これは部下が悪いわけではない。
過去の言動が強く残っているからだ。

この「タイムラグ」を理解できない上司は、
また同じ失敗を繰り返す。


■ なぜ部下はすぐに態度を変えられないのか

理不尽に怒鳴られたり威圧された部下は、
脳が危険人物としてあなたを“学習”する。

この記憶は
今日の優しさで上書きできるほど弱くない。
あなたがやってきたことはそれほど甘いものじゃ無い。

あなたが変わったとしても、
部下の心には“残留警戒”が残る。

だから、
「最近怒ってないのに誰も近づいてこんのやが?」
「わしこんなに努力してるのになんで皆冷たい…?」
と不満を持つのは、
まだ“変化”が定着していない証拠である。


■ 最悪なのは「変わったアピール」を始めること

現場でよくあるタイプがこれだ。

  • 優しくしてるのに

  • 最近怒鳴ってないのに

  • 歩み寄っているのに

…という 自分の変化への“見返り”を求める上司

これをやると、
部下は一瞬で「やっぱり変わってない」と感じる。

本当に変わった上司は、
見返りなしで淡々と続ける。
“信頼の回復には時間がかかる”と理解している。


■ 信頼は「積立式」、不信は「一発崩壊」

10回優しい態度を見せても、
1回の怒鳴りで一気に崩れる。

これは理不尽ではなく、
人間の防衛本能である。

だからこそ上司には、
部下以上の“忍耐力”が必要になる。


■ 上司が変わる時に必要な忍耐のポイント

① 過去を取り返そうとしない

今日の優しさで過去は消えない。
「気長に積む」意識が必要。

② 宣言せず、黙って続ける

「気をつけるから」は口だけに聞こえる。
黙って半年続けたほうが信頼される。

③ イラッとした瞬間に踏みとどまれるかが勝負

感情が揺れたタイミングでの対応が“真の変化”。

④ 評価を求めない

「なんで信じない?」と言い出したら逆戻り。


■ 部下側の努力は“あれば良い”が“必須ではない”

もちろん、部下にも

  • 相手の変化を認める姿勢

  • 過敏になりすぎない視点

があれば関係は良くなる。

しかし、先に変わるべきは権力側。
現場の構造上、責任の重さが違う。


■ まとめ

パワハラの改善は一朝一夕ではない。
けれど、変わろうとする上司の努力は価値がある。
その努力を実らせるのは、
部下の態度ではなく、上司の忍耐力だ。

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